「香典」と聞くと、なんとなく聞いたことくらいはあるけど、「どういう意味なの?」「具体的に何をしたらいいのか?」まではわからない!という方もいらっしゃいますよね。
もしかしてあなたも今まさに、そのように困っていませんか?
香典とは、簡単に説明すると「黒と白の水引を結んだ不祝儀袋に包まれたお金のこと」なんです。言葉で書くと難しく感じますが、ほんの少しの知識とマナーさえ知っておけば、あまり不安になることはありません。
ですが「49日の香典」となると話は別…。
故人がこの世を旅立つ大切な儀式なので、包む金額の相場や包み方・渡し方まで細かく配慮できるまででないとだめなんです。ちょっとしたマナー違反で非常識といわれたり、ご遺族を傷つけてしまったりすることも…。
そこで今回は、49日の香典について施主と参列者、それぞれが最低限知っておきたい香典の知識やマナーをご紹介します。
最後まで読んでもらえれば、香典のことで困ること・不安や失敗もなく、49日法要を終えることができますよ。
目次
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1 49日の香典とは
香典とは、黒と白の水引を結んだ不祝儀袋に包まれたお金のことです。お葬式や49日などの法要では、参列者が持参して受付や施主に渡します。
香典を渡す2つの目的
目的の1つ目は、「香」の字が線香を意味することから、お線香のかわりにお供えするという意図で『故人の供養のため』に渡されます。
目的の2つ目は、人が亡くなると「葬儀・お墓を建てる・仏壇の購入・法要…」と何かと物入りな事が続くため、『残された遺族の役に立ててもらうため』にお金を包んで渡しています。
渡された香典の使い道
渡された香典は、ご遺族間で話し合って使い道を自由に決められます。ほとんどの場合、法要や死後の手続きにかかる諸費用に充てられています。
2 【施主側】3つの知識とマナー
49日忌は忌明けとなる節目の法要ですから、施主として滞りなく法要を終えるだけでなく、参列者に心からの感謝を伝えたい大切な儀式になります。
これからご紹介する3つの知識とマナーを押さえてもらえれば、香典に関して失礼にあたることをしてしまう失敗はまずありません。
ひとつずつ説明していきます。
- お返し(香典返し)の相場とマナー
- 香典受け取りは辞退可能
- 香典返しが不要の場合のお礼状の書き方・例文
(1)お返し(香典返し)の相場とマナー
忌中にいただいた香典のお礼として、葬儀から49日法要までの『香典をくれたすべての人』にお返しの品を贈ります。このお返しのことを、『香典返し』といいます。
相場は「5,000円程」
冠婚葬祭ギフト会社10社の情報をもとに平均を算出したところ、『3,000円~5,000円程度』が香典返しの相場価格でした。
香典返しは、いただいた香典金額の半額を目安に選ぶのが流儀といわれていて、これを半返しといいます。
中には半返しにしようと思うと5,000円では安すぎる、という額を包んでくださる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、香典をくださる目的はあくまで「故人の供養」「遺族の役に立てて欲しい」にあります。
多く包んで下さった方にはきっちり半額で返す必要はなく、慎んでお気遣いとして受け、5,000円程の香典返しを贈ることで十分に感謝と礼を尽くせると考えられています。
「消えもの」を贈る
香典返しは、生前故人に親切にしてくれたこと・死後の遺族への心遣い・香典というお供えを頂いたこと、すべての感謝を形にして、必ず全員へ贈ることが礼儀です。
その品には、不祝儀を残さない「消えてなくなるもの(=消えもの)」を選ぶことがマナーです。
例えば、お菓子や調味料、入浴剤などが人気で、贈られた相手にも喜んでもらえます。
相場とマナーを押さえた香典返しの人気商品については、『四十九日忌前に手配!引き出物・香典返しのお返し品のマナーを押さえた贈り方』の記事で10選紹介しています。
贈られた方の気持ちを大切に考え、喜ばれるものだけを厳選しているので、ぜひあわせてご確認ください。
忌明けから2週間以内には到着するよう郵送
相手が結婚式などお祝い行事を控えている場合を除き、香典返しは忌明けから遅くとも2週間以内には郵送して相手の元へ届くように手配するのがマナーです。
最も推奨されるのは、忌明けから2日後に到着することとされています。
贈り先に祝儀がある場合は、その時期をずらして郵送し、あくまで不祝儀のお返しであることをわすれないよう注意しましょう。
(2)香典受け取りは辞退可能
最近では、施主が参列者へ「香典は不要です」と事前に受け取りを辞退される方も増えてきています。
- 生前整理や終活という言葉が認知され、生前に自分の死後の葬儀や手続きなどを代行業者にすでに支払って委託する人が増えた
- 故人の生前の希望で「お世話になった人の負担になるから、香典はもらわないでほしい」と遺言を託された
故人を尊重してのことであり、辞退することは失礼にはあたりません。もし香典辞退の案内を知らず、参列者が香典を持って来たら、お礼と故人の考えを伝えたうえで、受け取らないようにしましょう。
法要当日にお断りすると、事前に伝えられれば不要だった手間を参列者にかけさせてしまい、配慮に欠けます。
案内状には忘れず、『誠に勝手ではありますが、故人の遺志により、御香典は辞退させていただきます』と書き添えるようにしましょう。
(3)香典返しが不要の場合のお礼状の書き方・例文
参列者から、「香典返しは不要です」と香典返しを辞退されることがあります。
その場合は、参列者の心遣いを尊重してお返しの品は送らず、代わりに『お礼状』を贈って感謝を伝えましょう。
お礼状の例文と書き方のポイント
書き方は次の画像を参考にしてみてください。
- 句読点は使わない
- 縦書きにする
- 故人の名前を入れる
- 葬儀など行き届かなかった点への謝罪の言葉を入れる
- 〇月〇日に49日の法要を執り行い終えることができたと書く
- 香典返し辞退の心遣いに対しての感謝とその親切を故人にも報告したことを書く
- 故人へ代わって生前のお礼を伝える
- 喪主名を最後に書き締める
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3 【参列者側】2つの知識とマナー
参列者が正しい知識とマナーのもと香典を渡すことは、結果的にご遺族へ心配りすることへつながります。
逆をいえば、マナーに反したことをしてしまうと、悲しみの中にあるご遺族に不快な思いをさせてしまいます。
故人とご遺族へ敬意や礼を尽くすためにも、これからお伝えする2つの知識とマナーを法要までに確認し身につけておきましょう。
- 香典の相場とマナー
- 香典返しは辞退可能
(1)香典の相場とマナー
香典はただ持って行って渡せばいいわけではありません。適切な金額とマナーがありますので、それに反して無礼なことをしないよう注意しましょう。
相場は「親族1~3万、友人5千~1万程」
法要の際に包む香典はお葬式で包むよりも低額で、相場は『親族なら1万~3万程、友人5千~1万程』です。
表にまとめましたので、ご確認ください。
故人との関係 | 香典の相場費用 |
血縁の近い近親者 | 20,000円~30,000円程 |
遠い親族、非常に親しい友人・知人 | 10,000円~30,000円程 |
友人・知人 | 5,000円~10,000円程 |
※葬儀社10社の情報をもとに平均を算出しています。
前日までに確認!香典のマナー
「香典は葬儀の時に持って行くもの」と間違って認識している人もいらっしゃいますが、法要にも香典は必ず持って行くのが決まりです。
「お葬式で香典を辞退されていたけど、法要の案内状には特に何も書かれていなかった…」という場合でも香典は持参し、施主から正式に辞退されれば渡さないようにしましょう。
最初から用意しない、持って行かないというのは絶対避けて下さいね。
- 「新札は、あらかじめ不幸を予測して用意していたように見え遺族を不快にさせる」という考えから、葬儀をはじめ不祝儀事では避けるのがマナーです。
- 金額には、死や苦を連想させる4や9は避けるよう配慮しましょう。
前日までに確認!適切な包み方から渡し方まで
「香典の包み方・渡し方」の作法について、知っておくことは非常に重要です。
法要前日までには「準備を済ませる」「流れを身につける」ことで、当日不安になったり、失礼なことをしたりしないようにしましょう。
忌明けまでは故人の魂はまだこの世にあり、49日を境に「仏様」としてご先祖さまに加わると考えられています。そのため、49日法要までは不祝儀袋の表書きも「御霊前」と書くようにしましょう。
香典を袱紗に入れずに持って行くのは重大なマナー違反ですので絶対にやめましょう。
- 不祝儀袋がしわになったり水引の結びがずれたりするのを防ぐ
- 遺族の心のうちに寄り添っていることを意思表示する
- 故人と大切な儀式の場への礼を尽くしますという姿勢を示す
袱紗(ふくさ)を使うことには、こういった大切な意味がありますので、香典は必ず袱紗に包んで持って行き、渡す直前に出すように心がけてください。
【タイミング】
- 会場に到着したら、法要が始まる前に施主へ挨拶に伺います。
- お供え物を渡すこのタイミングで、あわせて香典も渡しましょう。
【渡し方4ステップ】
- 利き手で袱紗(ふくさ)を持ち、反対の手で袱紗を開き、不祝儀袋を取り出します。
- 施主の方から見たときに表書きが正しく読めるよう、不祝儀袋の向きを変えます。
- 袱紗をたたみ、その上に向きを変えた不祝儀袋を置きます。
- 両手で不祝儀袋をのせた袱紗を持ち、「どうぞお供えください」と一言添えて、渡します。
袱紗ごと香典を渡すことは、「不幸を相手に渡す」行為になるので、絶対にやめましょう。
お祝いごとでは、袱紗ごと渡すのが「幸せを送る」という意味合いで良い作法となりますが、法要などの弔事ではマナー違反ですので、注意して下さい。
(2)香典返しは辞退可能
「香典はご遺族の役に立ててもらい、自分の香典返しの費用には充てて欲しくない」こういった考えや配慮から、香典返しを辞退することができます。
ご遺族の立場を考えたうえでの心配りなので、香典返しの辞退をすることはマナー違反にはなりません。
ただ、香典を受け取ったご遺族に気を遣わせてしまわないように、配慮をすることは忘れないようにしましょう。
口頭だけでは、儀式の進行や参列者への気配りに多忙な施主に、香典返し辞退の意思が正しく伝わらない可能性があります。不祝儀袋を見ればその意思が伝わるよう、次のように書き添えましょう。
- 不祝儀袋の裏面の余白に書く
- 不祝儀袋の中に一筆箋(いっぴつせん:短い文章を書く用の小さい便箋)を書き入れる
例文:
誠に勝手ではございますが 香典返しのお気遣いは不要でございます
少しでもご家族様の役に立てていただきたく存じますので
遠慮させて頂きますようどうぞお願い申し上げます
- 施主の手に完全に香典が手渡せたら、「勝手ではございますが、香典返しは辞退させていただきます」と伝える
- 気を遣わせないよう、「〇〇さん(故人)には、生前大変お世話になりました。本当にありがとうございます。〇〇さん(施主)もこれからが大変かと思います。微力ではありますが、応援していますので…」とさらに言葉を添える
まとめ
香典には、渡す側も受け取る側も、知っておくべき知識やマナーがあります。
施主は、『香典は、故人を失った遺族に対して頂いた心遣いが形となったものである』ことを心得て、そのお返しである香典返しを忘れずに贈りましょう。
参列者は『香典は、故人と遺族へ敬意や礼を示すものであり、何かあれば支えになるという気持ちを形にしたものである』ことを肝に銘じ、マナー違反のないよう努めましょう。
この記事が、香典に関する悩みを抱えたあなたの役に立てば、幸いです。