初七日から四十九日まで何をすればいいのか分からない、と悩んでいませんか?
亡くなった日を含めて7日目を『初七日』と呼び、お坊さんにお願いしてお経をあげてもらう儀式を『初七日法要』といいます。最近では法要の簡略化から、火葬後当日に初七日を行う『繰り上げ法要』や、出棺前に初七日法要を行う『繰り込み法要』を行うケースも増えてきました。
ですがもしあなたが初七日を簡略化しなかったのなら、四十九日法要までにあなたには故人のためにできることがたくさんあります。
初七日のあとは、二七日、三七日、四七日など、四十九日までに7日ごとに追善供養を行います。このご供養の期間は、残された家族や友人が、忌明けまでに気持ちの整理をすることのできる、大切な時間にもなります。
ただ、初七日から四十九日まではあっという間に過ぎていきます。ぼうっと悲しみにくれていると、法要で慌ててしまったり、心から故人を想うだけの時間を作れない可能性があります。
どういったタイミングで何をすればいいのか知って実践し、滞りなく初七日法要を終えましょう。そして、忌明けをむかえるまでの間、雑念に惑わされることなく心から故人に向き合い、供養を尽くしましょう。
目次
全宗派
対応
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1 初七日から四十九日までの追善供養の意味
追善供養を行うことで、故人があの世で裁判を受け極楽浄土に行けるのか地獄に落ちるのかの判決を受けるにあたり、生前の罪の重さを少しでも軽くできるといわれています。
それぞれの忌日での法要は次のような意味を持っています。
●初七日(しょなのか) |
故人が、三途の川の近くに到着するのが7日目と考えられています。秦広王(しんこうおう)という裁判官により、三途の川のどの場所を渡るか、裁きを受け決められます。 生前の罪の重さによって、『川の流れが激しい場所・やや激しい場所・緩やかな場所・橋の上』と、渡れる場所が決まります。 |
●二七日(ふたなのか) |
初江王(しょこうおう)という裁判官により、故人は正しく三途の川を渡ったか、生前に動物や虫をいじめたり、無益に殺したりしてはいなかったか、について裁判を受けます。 |
●三七日(みなのか) |
宗帝王(そうたいおう)という裁判官により、生前浮気や不倫をしていないか、邪淫について裁判を受けます。 |
●四七日(よなのか) |
五官王(ごかんおう)という裁判官により、生前人を傷つけるような言動をしていないか、嘘をついていないかについて裁判を受けます。故人の罪の重さを天秤にかけてはかります。 |
●五七日(いつなのか) |
閻魔大王(えんまだいおう)により、浄玻璃という水晶でできた鏡に映し出される生前の悪い行いと、これまでの裁きの結果を受け、地獄か天国か、地獄の場合はどの地獄に落とされるのか、判決が下ります。 |
●六七日(むなのか) |
変成王(へんじょうおう)という裁判官により、生前の功徳(くどく)を再審査されます。その判決によって、次に生まれ変わる場所が決まります。 |
●七七日(なななのか)49日目 |
泰山王(たいざんおう)という裁判官により、裁判が行われます。 『天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道』の六道のうち、どの世界へ生まれ変わるかが決まり、故人の裁判が終わります。 そのためこれをもって『忌明け』となります。 |
※浄土宗では、亡くなるとすぐに極楽浄土に旅立てるといわれているため、宗教的には追善供養は不要であると考えられています。
ですが、追善供養には故人とお別れするために少しずつ遺族が寂しさや悲しさを乗り越えるため、という目的もあることから、宗教にかかわらず法要を行う人も多くいます。
2 初七日から四十九日までの全体像
初七日から四十九日までは次のように進みます。
初七日は亡くなってから、慌ただしい日々を過ごしているうちにあっという間にやってきますので、早めに法要の準備をすることが大切であることがわかります。
2-1 忌日法要の数え方
忌日法要は、『亡くなった日を含めて』数えます。
葬テラスの以下のページを使えば日付を自動で計算することができます。
ぜひクリックして試してみてください。
2-2 初七日法要の準備・当日の流れ・心得
初七日法要は、家族・親族だけではなく、可能であれば故人と親しかった友人や知人にもお声がけしてみましょう。
事前に行う3つの準備
(1)お坊さんとの日程調整
葬儀でお世話になったお坊さんにお願いするのが最もスムーズです。
檀家に入っている場合は菩提寺に相談、特に懇意にしているお寺さんが無い場合は、僧侶派遣サービスを利用しましょう。
(2)招待者への案内と引き出物手配
招待者全員とお坊さんへお渡しする引き出物の準備も大切です。
相場は、1,000円~5,000円程度で大丈夫です。近所のスーパーでも買えますが、ネットで注文しておくと必要個数を時間指定で家まで配達してもらえるのでオススメです。
人数が確定しない場合は、で少し多めに用意しておくと良いでしょう。
引き出物のオススメを価格ごとに3点紹介します。
1,000円程で購入できます。
3,000円程で購入できます。
5,000円程で購入できます。
(3)お布施の用意
足を運んで下さるお坊さんにお包みするお布施の用意をしましょう。
お布施の相場については、後ほど詳しくご案内します。
初七日法要当日の流れ
当日の法要は次の流れで進み、約1時間を故人のために祈ります。
- 参列者・お坊さんをお出迎えします。(約5分)※ここでお布施をお渡しします。
- 施主による最初のあいさつをします。(約2分)
- お坊さんにより読経が行われます。(約15分間)
- お坊さんよりお焼香をしてもらいます。(約1分)
- 参列者でお焼香を行います。(約10分)
- お坊さんより、法話をしていただきます。(約15分間)
- 施主による締めのあいさつを行います。(約2分)
- 引き出物をお渡しし、参列者とお坊さんをお見送りします。(約5分)
施主側の初七日法要の心得
大切な人を失うと、人は『否認』『絶望』『受容』という3つの精神状態をたどると言われています。
否認は、「あのひとが死んだなんて信じられない」「まだ実感がない」という感情です。
絶望は、「もう何も考えたくない」「死んでしまったなんて受け入れられない」「つらい」「苦しい」「悲しすぎる」という状態です。
そして受容は、「あのひとがいなくなってしまったのは、悲しい事実だが、それを乗り越えてあのひとを安心させてあげたい」「あのひとの分まで毎日を頑張ろう」という想いです。
初七日法要は、命日からわずか1週間とまだまだ受容の状態にはなれないかもしれません。
しかし、ただただ悲しみに暮れ、否認と絶望のなかで苦しむのでは、法要という『故人の冥福を祈る』本来の目的を果たせません。
この世から魂が離れる四十九日法要までに、故人への感謝や思いを伝え、祈り、気持ちの整理をすることで故人を安心させる、残された人のための法要でもあることを心得ましょう。
2-3 二七日~六七日の儀式は簡略されることが多い
二七日から六七日までは、法要自体もお坊さんを呼ばず、家族や血縁の深い親族のみでお線香をあげるにとどめることがほとんどです。
大切なのは、なるべく祭壇の前に集まり、祭壇の前で故人のことを話しながら多くの時間を過ごすことです。
2-4 四十九日(七七日)法要までの準備と過ごし方
四十九日法要までは、次の3つのことに気を付けて過ごしましょう。
- 四十九日法要の準備
- 役所手続き・ライフライン等の契約解除手続き
- お祝い行事への参加や神社への参拝を控える
四十九日法要の詳しい準備や流れについては、『全宗派共通│49日までに遺族が行わないといけない3つの事と忌中の過ごし方』で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
3 【全宗派】お布施の相場料金
初七日法要では、読経料・御車料、そして法要のあとに会食の席を設ける場合で、その席をお坊さんが辞退された場合は御膳料をお包みします。
【檀家に入っている場合】 |
読経料:30,000円~50,000円 御車料:5,000円~10,000円 御膳料:5,000円~10,000円 |
【僧侶派遣サービスの場合】 |
読経料(宗派指定有り):55,000円程度 読経料(宗派指定無し):50,000円程度 ※御車料・御膳料は不要 |
さらにお布施の詳しい費用やマナーについては、『法事で包むお布施の相場がわかる!料金から渡し方まで徹底解説』で解説していますのであわせてご確認ください。
全宗派
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4 心を尽くした供養のためにお坊さんの日程確保は確実に行おう
故人の供養のために、法要ではお坊さんによる読経は欠かせません。
もし手配し損ねてしまうと、あなたや家族、親族にも「ちゃんと供養できなかった」という心残りができてしまいます。
心から故人の冥福を祈り、供養を尽くすためにも、お坊さんとの日程調整は早めに行いましょう。
5 まとめ
初七日から四十九日までは、7日ごとに法要を執り行います。
特に大切な最初の『初七日法要』では、お坊さんを呼び読経をあげていただくことになるので、お寺さんとの日程調整を確実に行いましょう。
檀家に入っておらず、葬儀の際は葬儀会社が手配してくれたお坊さんがいる場合でも、葬儀後の法要まで行ってくれるとは限りません。
故人のため、そして残された家族が気持ちの整理をして前に進むためにも、お坊さんに足を運んでいただき、お経をあげていただきましょう。
もしもお坊さんの手配ができず困ったら、僧侶派遣サービスを活用することで、直近の日程でも予約ができるかもしれません。
費用的にも抑えつつ、法要は通常通り行ってもらえるので、悩んだら相談してみてください。
この記事が、初七日法要を滞りなく行えるとともに、四十九日までを故人のため、そしてあなたのための大切な時間として過ごし、心からの供養ができる役に立てば幸いです。