こんにちは!
出張僧侶のみょうせいです!

今週は日本列島に台風が迫っており、
大変な思いをなさっている方も居られると思います。私は自分の趣味である植木鉢を中に避難させ汗だくなり大変な思いをしました(笑)

皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
さて、みなさんはタイトルにある、世界を救う数字があることをご存知でしょうか???

これを拝見された方のなかには、
「このお坊さんはいったい何を言っているんだ、そんなものあるわけなかろうが」と思う方、笑う方もそれぞれいらっしゃることでしょう。

今日も、わたしのうんちくに最後までお付き合いくださいませ。

少し真面目な話から入りますが、
理論の種類に「普及率16%」というイノベーター理論があります。「イノベーター」とは、マーケティング(商業)に関する用語でして、新たに始まった商品やサービス、ライフスタイルなどを、最も早い段階で受け入れる者のことを言います。
※米・スタンフォード大学の社会学者、エベレット・M・ロジャー (イノベーター理論提唱者)

これについて説明をします。例えば、世界中の人口が100人だけだったと仮定しましょう。さらに人口の全員が怠け者と仮に設定します。ところがある日をきっかけにして、急に働き者が16人に増えた!
となると、徐々に働き者の人間が増え、100人全員にそれが徐々に徐々に…浸透していくという理論です。100人全員が働き者になるかどうかはわかりませんが、それほど「16」という数字は、越えたとたんに影響力があると言えます。
昆虫の働きアリの中にも「サボるアリ」が居るそうですから、全員が働かなくともうまく世の中はまわるものなのでしょうか。

さらに、現実的なことを踏まえてお話しをすると、
現在、コロナウイルスが世界中に恐怖を与え蔓延していますが、そんな中、今年に入りワクチンがようやく国民に普及するようになりました。

わたしが最近聞いた話なのですが、
世界で全人口に対してトップ(ナンバーワン)のワクチン摂取率を誇る国は「マルタ」だそうです。しかも、世界中の統計を見ても摂取率16%に達したスピードが全世界と比較して、一番到達が速かった国がマルタと読めるデータがあるとのことです。ですから「普及率16%」という数字はバカに出来ないのです。冒頭で記述した「最も早い段階で受け入れた人」にあたります。

続いて私の体験談を話しましょう!

私も懐かしき会社員時代にベンチャー企業(当時)の管理職をしていたことがありまして、普及率を間近に感じたことがあります。
当時、私の業務は主に市場の調査(取引先の管理)を担当していました。当初はベンチャーですから、思うように商品が売れず社内全体が困っていました。自転車操業だったと思います。

ですが、ある日を境に取引先のシェア率がぐんと上がり(営業の成果、紹介等)爆発的に伸びました。最終的には同業他社と比較し全体のシェア率が33%にまで上昇しました。(産業的に33%のシェア率は全国トップレベルです)
このときの数字も15~20%あたりを迎えた境にぐんと伸びたのをデータ上で記憶しています。15~20%を迎える前は全く伸びず、常に一進一退でした。「16」を越えるイメージ的にはコップの水が溢れる瞬間が近いと思います。

余談ですが、私、頭の回転はかなり遅いですが、記憶力はまあまああると自負していますので数字に関して信用して下さい(余計なことを申し上げました…)

話が少し横にずれましたが、
当時は「普及率16」という数字を知りもしませんでしたが、今思い返すと知らずのうちに「普及率」という事実を体験していたんだなと感じることができます。
何が大切かと申せば「まず自分が、誰かが動かなければ始まらない」ということです。自分がまず1人目になり、やがて浸透していく流れが世の中の道理と思います。
天台大師最澄(てんだいたいしさいちょう)の言葉で「一隅(いちぐう)を照らすこれすなわち国宝(こくほう)なり」という言葉があります。
「一隅」とは「隅っこ」ということでして、これは誰の目にも触れず、誰からも誉められたりしない行動、これこそが物理的に表現できない本当の宝物(たからもの)であると残された言葉です。天台大師最澄も言わずと知れた高僧(こうそう)ですが、本当の宝に生涯で出遇われたのだと思います。
私の以前奉職(ほうしょく)していた寺院では、清掃の業務のみ専門に行うパート労働のスタッフが居りまして、お寺全体を常に綺麗にして下さる大変有難い方でした。

しかし、お参りに来られる方からは「お寺をいつも綺麗にして下さってありがとうございます!」と直接声をかけてもらえるのは我々僧侶の方で、少し歯がゆい思いをしていました。
その思いを伝えるべくパートスタッフの方に「いつも掃除頑張って下さるのはAさんなのに、お礼を言われるのは私たちばかりでいつもすみません」と身の内を話しました。

そうしたら、「いいのよ!仏さんが常に見ていて下さるから!」と言われました。これを聞いた瞬間、私は気が付いたら涙を流していました。
ですから、「一隅を照らす」ということは常に仏さまが頑張っている私たちをいつも見守っていて下さり、応援してくれます。自然と掃除担当のスタッフの方は「仏」に出会っていたのだと思います。

最初の1人になり「一隅を照らす」ような生き方をそれぞれ心がけて生活すると普及率に貢献できるのかもしれません。
「普及率16」はいいことばかりではなく悪い普及率16の闇も潜んでいることも我々は理解しなければなりません。

誰かが見ていなければいいだろう…
誰かがやればいいだろう…
という悪念(あくねん)をおのおのが持っていると、世の中もそれに従い悪の普及率がぐんぐん上がっていくのだと思います。

道路にごみが落ちていたら、「ぼくも、わたしも捨てて大丈夫。みんなが捨てているから」と根も葉もない事実を作って、身も心も世の中を汚していくのです。
「誰かが捨てているけど、自分は捨てない」という考えに至るのが難しい私たち人間ですが、ここでしっかり踏みとどまる心が本当に大切なことです。

『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう) 第16願(だいじゅうろくがん)』には
たとえ私が仏(ぶつ)になったとしても、この国に不善(ふぜん)のもの、不善という言葉があれば、私は仏にはなりません。
という仏さまの願いがありまして、
「不善」とは「悪」ということで、世界を救う数字「16」を仏様はずーっとはるか昔から知っておられたのではないかと勝手に想像しています。

私を育てて下さった先生は根が無い生き方を「デラシネ(根なし草)である」と表現されました。
根がある生き方を念頭に心がけていきたいものです。

長くなりましたが、
これからも日々出会うたくさんの方々、
直接お会い出来ない方も含め色々な方と仏法を一緒に学んで参りたいと思います。

最後まで閲覧ありがとうございました!

以上出張僧侶のみょうせいからでした。合掌

世界を救う16の数字