「墓じまいしたいけれどわからないことが多すぎる…!」あなたも墓じまいで苦労されていませんか?

書類手続き?業者はどこに何を頼む?身内と何を話し合えばいい?何から始めたら上手くいく…?いつまで経っても進まないと、嫌になってしまいますよね。

そんなお悩みも、今回の記事を読んでもらえれば簡単に解決します。

じまいをスムーズに進めるにはお決まりの順序があるので、知識さえ身につけば難しいことはないんです。

ただし、トラブルなく墓じまいを終えようと思ったら、話し合いなど時間のかかる部分もありますので、より円滑に進めるためには、早め早めの行動がなにより重要です。

この記事を読み終えたら、すぐにお伝えした情報をもとに、墓じまいのために行動に移って下さいね。

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1 墓じまいとは

1 墓じまいとは

墓じまいとは、今のお墓を撤去して遺骨を別の場所へ移動させることを意味します。

遺骨を取り出したあとは、墓石を処分・墓地を整地し返却・遺骨を別のより管理しやすい葬送方法で納めるまでが一連の流れです。

年々墓じまいをする人が増加しており、現在は1年間に約9万件もの墓じまいがおこなわれていることがわかっています。

1-1 墓じまいに向いている人

墓じまいは「よりよいご先祖様の供養のため」に行われるものなので、次のような理由でお墓の管理が難しくなる人に向いています。

  • 引越しをする(した)ため墓参りができなくなった。
  • 独身なので自分の死後にお墓を管理する人がいない。
  • 老齢や病気でお墓参りが大変になってきた。
  • お墓のことで子どもや孫に負担をかけたくない。

実際に墓じまいの理由として最も多い理由が「お墓を守る人がいなくなるから」であることもわかっています。

1-2 墓じまいのメリットデメリット

墓じまいに迷っている場合や親族間で話がまとまらない場合は、墓じまいにどんなメリットがありどんなデメリットがあるのか知ることで、スムーズな決断ができるようになりますよ。

メリット
  • お墓を無縁墓・無縁仏にしないで済む。
  • お墓よりも管理や供養しやすい方法に葬送できる。
デメリット
  • お金がかかる。
  • 檀家を抜ける際にトラブルになりやすい。
急増している無縁墓

あるの調査では、ある市内の全墓地を調査したところ、4割~8割が無縁墓になっていることがわかっています。
無縁墓になると、強制撤去されるケースや、いつまでも放置され荒れ果てた墓として残され続けるケースなど、いずれにしても望ましくない結果になってしまいます。

2 墓じまいにかかる費用相場は50140万円

墓じまいにかかる費用相場は、最後に遺骨をどこに引越しさせるかなどによっても変動がありますが、総額相場で50万円~140万円です。

墓じまいで「すべきこと」 かかる費用相場(内訳)
改葬許可申請をする 1,000円~30,000円
閉眼供養を行う 30,000円~60,000円
遺骨取り出し・墓石の解体・撤去 400,000円前後
墓石処分 100,000円~200,000円
墓地の整地 15,000円~20,000円
遺骨のメンテナンス 20,000円~35,000円
納骨式 30,000円~60,000円
最後の葬送 納骨堂 500,000円~1,000,000円
樹木葬 100,000円~800,000円
手元供養 6,000円~300,000円
海洋散骨 50,000円~300,000円

※どこまで自分でやって業者に頼むかで費用が変動します。
※墓石の大きさや墓地の面積によって金額が変動します。
※石材店・霊園運営会社・墓じまい業者・海洋散骨請負業者・手元供養用品販売業者商品価格・不用品回収業者より平均を算出。

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3 墓じまいの全体像と具体的な方法

3 墓じまいの全体像と具体的な方法

墓じまいはこれからお伝えする通りの順番で進めてもらえれば、スムーズに終えることが可能ですので、各ステップをしっかり押さえてくださいね。

  1. 親戚間の話し合い
  2. 改葬申請
  3. 納骨先決定
  4. 業者決定
  5. 改葬許可申請
  6. 閉眼供養と遺骨取り出し
  7. 墓石の解体撤去処分・整地
  8. 遺骨のメンテナンス
  9. 納骨式と再納骨

1ステップずつわかりやすく説明します。

1)親戚間の話し合い

必ず親族間での話し合いの場を設けて、親族の誰もが墓じまいに「納得・合意」できるまで、次のステップに進まないようにしてください。

「血のつながった仲なんだから、わかってくれるだろう…」という考えは非常に危険で、墓じまいでは6人に1人が親族間でのトラブルに発展しています。

次の3つの事柄については、連絡がつくなら必ず遠縁の親族にも声をかけ、合意を得ましょう。

  • お墓をたたんでもよいか、合意を得る
  • 墓じまいにかかる金銭の負担割合について、明確な結論を出す
  • 再納骨の方法について、合意を得る

2)改葬申請

寺院・霊園に改葬の申し出をする時は、「改葬許可申請をするための書類が欲しい」「墓じまいを決めた」と一方的・事務的に告げず、まずはこれまでの感謝を伝えるなど話し合いが円満に終わるよう慎重になりましょう。

寺院・霊園にとって墓じまいをされるということは、寺院や霊園の運営維持費を失うことを意味していますので、あまり好まれることではなく、特に寺院の場合は「檀家を抜ける」ことになるので4人に1人が大きなトラブルに発展しています。

寺院・霊園から許可を得られたら、埋葬証明書など市役所への改葬許可申請に必要な書類の発行をしてもらいましょう。

3)納骨先決定

墓じまい後の納骨先には2019年現在代表的な方法として、「納骨堂」「樹木葬」「手元供養」「海洋散骨」の4つがありますが、それぞれ葬送内容が異なるので、親族間で合意を得られるまで話し合って決めましょう。

1.納骨堂とは

遺骨を納骨堂と呼ばれる建物の中に安置し、その建物管理者が遺族に代わって管理や供養を定期的に行ってくれる。

遺族も納骨堂の開いている時間なら自由にお参りに行くことができる。

33回忌までは供養を行ってくれるが、それ以降は合祀(ごうし)といって、納骨堂が管理している共同墓地へ移動・埋葬される。

納骨形式にはロッカータイプなど様々ある。

2.樹木葬とは

樹木や草花をシンボルにして、その周囲にコンパクトでシンプルな小さいお墓が設置され、そこに埋葬される。

他の人と一緒に1カ所に埋葬する合祀型と、1つのお墓に1家族のみ埋葬する集合型と、1つのシンボルに1つのお墓だけ設置し埋葬する個別型とがある。

33年など一定期間を目途に遺骨は取り出され、共同墓地へ埋葬される。それまでは管理会社によって手入れをしてもらえる。遺族のお参りも自由に可能。

3.手元供養とは


遺骨を埋葬せず、自宅に置いたり身につけたりする方法。

ミニ骨壺に入れて自宅に置いたり、ペンダントなどに遺骨を粉状にして入れるなど、形式はさまざま。

いつでも手を合わせたり故人を近くに感じられることから、人気が上がっている葬送方法。

4.海洋散骨とは

海に粉状にした遺骨(粉骨)をまき、故人を自然に還す方法。

遺族が乗船し、直接散骨するスタイル~業者に散骨も一切委託するスタイルなど様々。

これ以上供養・管理・手入れの必要がなく、故人を自然に還すことができることから、最近注目され始めた葬送方法。

4)業者決定

墓石の解体撤去・処分を依頼できる業者は、

  • 石材店
  • 不用品回収業者
  • 一部の解体業者

となります。

人力で簡単に持ち上がるような小さな墓石で、かつ近くに個人の墓石の持ち込み処分ができる産業廃棄物処理業者がいるなら、自力処分も可能です。

どこへ依頼するかは、見積もりを取って総合的な費用や希望日程での対応が可能かなどを比較し、ご親族で最終決定するようにしましょう。

5)改葬許可申請

お墓から遺骨を取り出して別の場所へ移動する時には、必ず事前に「死亡届を出した市役所」へ改葬許可申請を行うことが法律で義務付けられています。

書類を揃えたら次の手順で申請しましょう。

改葬許可申請の手順
  1. 書類を揃える。
  2. 揃えた書類を持って死亡届を出した市区町村役所へ行く。
  3. 書類を提出する。
  4. 1週間~2週間で許可が通った際に連絡がある。
    (もしくは窓口で〇日頃お越しくださいと案内がある)
  5. 完成した改葬許可証を受け取に行く。

必要な書類は4枚で、それぞれ入手先が異なりますので、下記をよく確認して取得してください。

改葬許可申請は自分でも簡単にできますし、行政書士に頼むことや、墓じまいの全てを一括して引き受けてくれる業者に委託することも可能ですので、予算と合わせて決定しましょう。

納骨堂・樹木葬を予定している人 1. 埋葬証明書
2. 永代使用許可権利書
3. 改葬許可申請書
4-1.改葬受入承諾書
手元供養・海洋散骨を予定している人 1. 埋葬証明書
2. 永代使用許可権利書
3. 改葬許可申請書
4-2.火葬許可証

埋葬証明書

埋葬証明書※埋葬証明書の様式は霊園・寺院ごとに異なります。

現在埋葬されている墓地の管理者に、発行してもらいます。

永代使用許可権利書

永代使用許可権利書お墓を立てた際に墓地管理者からもらっています。

紛失している場合は墓地管理者に再発行をお願いすることができます。

改葬許可申請書

改葬許可申請書※画像引用:豊島区ホームページより
※改葬許可申請書の様式は自治体ごとに異なります。

改葬許可申請書はお住いの自治体のホームページからダウンロードできます。

手元供養にする場合は、改葬の理由欄に「自宅で手元供養するため」と記入しましょう。

改葬受入承諾書

改葬受入承諾書※改葬受入承諾書の様式は霊園・寺院ごとに異なります。

次に埋葬する先の納骨堂・霊園などから発行してもらいます。

火葬許可証

埋葬火葬許可証※火葬許可証の様式は自治体ごとに異なります。

手元供養・海洋散骨にする場合は、次の埋葬先がありません。自宅保管か、海への散骨となるので、改葬受入承諾書も手に入りません。

その代わりに、遺骨の身分証明ができる「火葬許可証」を用意して提出しましょう。

火葬許可証は、故人の死後に市役所で受け取っています。紛失している場合は、死亡届を行った市区町村役所で再発行してもらいましょう。

6)閉眼供養と遺骨取り出し

閉眼供養の儀式で、僧侶の読経により、墓石に宿っているご先祖様の魂を墓石から抜き取り、墓石をタダの石に戻します。

タダの石に戻ったら、遺骨を取り出します。ここからは業者に任せてしまった方が遺骨や骨壺を傷つける心配もないので安心です。

※自力で遺骨を取り出して墓石を撤去処分する場合は、石材店に一度相談して、遺骨の取り出し方などを確認しておきましょう。

7)墓石の解体撤去処分・整地

業者に任せれば1日~長くかかっても3日ほどで墓石の解体撤去・処分が終わり、2日ほどで整地も完了します。

個人で撤去できる墓石

上の写真のような墓石であれば個人で撤去できることもあります。

業者に頼んだとしても、1日もあれば作業は終了します。

業者に頼むべき墓石

上の写真のような墓石の場合は、周囲のお墓に注意しながら、石とコンクリートでできた墓石をユニックで吊り上げたりする必要があり、個人での作業は不可能です。

業者に頼めば2日ほどでスムーズに対応してくれます。

8)遺骨のメンテナンス

長期間お墓のカロートの中にあった遺骨は、カビていたり、菌が繁殖していることがありますので、次の納骨に移行する前に、メンテナンスすることが重要です。

納骨堂・樹木葬の場合は、「洗骨→乾燥→殺菌」し、手元供養・海洋散骨の場合は、「洗骨→乾燥→殺菌→粉骨→真空パック」します。

郵送で遺骨を送ることでメンテナンスして返送してくれるサービスがありますので、活用しましょう。

遺骨のメンテナンスが頼めるサービス

9)納骨式と再納骨

最後に、葬送方法を「納骨堂・樹木葬・手元供養」とする場合は、納骨式を行い、僧侶による読経で再びご先祖様の魂にそれぞれの器に宿っていただきます。

納骨式が終わったら、それぞれの場所へご遺骨のお引っ越しが終わりましたので、感謝とご供養の気持ちを大切に、日々を過ごしましょう。

改葬許可申請~整地までは1業者に一括で任せると早い!

様々な作業が必要で、時間のかかる墓じまいですが、『改葬許可申請~墓地の整地まで』を一括して1つの業者に任せてしまえば、別々の業者に任せると1ヵ月~2ヵ月半はかかる3つの工程が1週間で終ります
時間短縮したい時には積極的に「一括して頼める業者」を利用しましょう。

4 トラブル回避のためにやっておきたい4つのこと

墓じまいはトラブルが起きやすいので、

  1. 親族間で必ず全員の合意を得る
  2. 菩提寺との誠意ある話し合いのもと離檀する
  3. 墓地が石材店と提携していることがあるので業者決め前に確認する
  4. 昭和初期のご遺骨は再火葬が必須なので注意する

4つをトラブル回避のために絶対に行い、気持ち良く心残りなくお墓をたためるよう努めましょう。

1)親族間で必ず全員の合意を得る

親族間で全員の合意を得ることが先決ですが、親族といっても話し合いで「どこまで」の親族と話し合うかは、優先順に以下の通りが理想です。

  1. 連絡の取れる親族には全員に確認を取る
  2. その墓に入っている血縁者で連絡の取れるものには確認を取る。
  3. 最低3親等までの親族には連絡を取る

3親等とは以下の画像のとおり。

2)菩提寺との誠意ある話し合いのもと離檀する

(2)菩提寺との誠意ある話し合いのもと離檀する

お寺とは誠意ある話し合いをしなければ、これまで菩提寺としてお墓やご先祖様のために管理手入れをしてくれていた恩を仇で返すようになってしまうので、離檀でトラブルになってしまいます。

実際に配慮のかけた話し合いが原因で「一千万円の離檀料を請求される」という事例も発生していますので、注意が必要です。

離檀料や離檀をトラブルなく進める話し方については、『お墓じまいのお布施は最安3万円。離檀料は?相場からマナーの全情報』でくわしく解説していますので、あわせてご確認ください。

3)墓地が石材店と提携していることがあるので業者決め前に確認する

墓地によっては、墓地管理者が「墓石の解体撤去時には〇〇石材店を利用する」と、すでに提携を交わしていることがあります。

業者を決めてしまってから、「うちは〇〇石材店以外での工事は認めない」と揉めてしまうことがないように、墓地管理者に「工事の手配はすべて自分で進めて良いか?」と忘れず確認するようにしましょう。

4)昭和初期のご遺骨は再火葬が必須なので注意する

古くからあるお墓の場合、火葬されていないご遺骨が出てくる可能性がありますので、昭和初期頃までのご先祖様も入っているお墓の場合は、再火葬の必要があることも念頭に遺骨の取り出しを進めましょう。

昭和初期頃までは土葬されることが一般的で、墓じまいの際に該当する遺骨が出てきた場合は、再火葬が法律で義務付けられています。

自分では判断がつかない…と不安に思われる場合も、業者に遺骨の取り出しや墓石の解体撤去処分を依頼している場合は、業者さんが気付いてくれますので、火葬場利用の把握だけ念のためしておくと良いでしょう。

まとめ

墓じまいは「もうこれ以上お墓の管理ができそうにない」人に向いた、ご先祖さまを無縁仏・無縁墓にしないための大切な決断です。

実際に墓じまいをする時には、お伝えした通りの順番に進めることで、スムーズに墓じまいを終えることができます。

親族間で6人に1人、寺院との間で4人に1人がトラブルになるデリケートなことなので、しっかり話し合い、誰もが納得した上で墓じまいを進めましょう。

この記事が墓じまいに悩むあなたの役に立てば幸いです。

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